ニュートンの海

ジェイムス・グリック著

当時(17世紀)紙は今では想像も出来ないくらい貴重だった
その紙に隙間なくびっちりとあらゆる事象をニュートンは書きとめていった
ひたすら自分の思考のために スケッチもあれば単に名詞の羅列もあるようだ
「・・・狭いページにぎっしりと書き込まれているのは、日時計に関する天文学の表と
それに続いて向こう28年分の暦のくわしい計算である。それに単語の表も書き写し、
頭に浮かんだ彼独自の言葉も同じくらいたくさん追加した。(当時辞書や百科事典の類はないも同然)
42ページにもわたって2400もの名詞を、次のような件名の欄の下に系統立てて列記している。
「芸術、商業、および科学」・・薬物学・・武具師、占星術師、天文学者・・「病」・・反っ歯・・痛風
壊疽・・銃創・・「親族、および肩書き」・・花婿・・兄弟 父なし児、男爵・・喧嘩好き、
おしゃべり・・ブラウン主義者、ベニヤミン人。。父、  密通者・・
ときにニュートン15,6歳のころのことである
当時の学問は 今では想像もつかないほど狭いものであったようだ
アリストテレスの書物が知識体系のすべてといっていいほどで
内容は論理学 倫理 修辞学
宇宙論、機械論もアリストテレスがすべてであった
私たちにとっては常識であえて疑問視もしないようなことであるが時間、空間 光 重力
当時の一般人にとっては想像すらできない概念であった。そもそも時間とは何であるか?
時計を使いこなす私たちにとって時間とは「時計で計測することの出来る」実在であり
過去から未来に向かって永遠に続くであろう宇宙の受け皿である。
空間もしかりである。相対性原理の理論で時空は絶対的でなく相対的なものだ
という概念は学んではいるがやはり私たちの体と精神に深く染みついていて観念は
ニュートンによって理論付けられたものである。
私たちは学習によって既成概念をごみのように知識として積み重ねているが
ニュートンのように物事の本質の近くにいるわけではない
「ニュートンの海」は物事の本質 すなわち 川の流れ、月太陽の運行をあくことなく眺め
プリズムの色を見つめたり 観察することで直感が働き本質に近づくことが出来るのである。
数学的(当時としては画期的だった用だ)証明、理論付けはその後理性が粛々と行うのでは
ないか?
すべてには名前があり 名前は概念であり概念は重なり重奏しながら思考になり性癖になる

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